スクラムにおける守破離

ジェフ・サザーランド博士のブログ記事、Shu Ha Ri – What Makes a Great ScrumMaster?
Ryuzee氏が意訳したものを転載する。
ライセンスはCC BY-NC-SAライセンス。

守破離のコンセプトは日本の合気道という武術から来たものだ。
私はデンバー(センセイは破の段階だった)とケンブリッジ(センセイは離の段階だった)で合気道の道場に数年通った。
生徒はまずは「守」からはじめて、センセイの指示に正確に従わなければならない。
黒帯を取ると、彼(彼女)は「破」の段階にたどり着いたことになり、素晴らしい型の練習をしたり、よりよくするために洞察して適用することが可能になる。
「離」の段階はちょっと違う。センセイが手を動かすと相手は触られてもいないのに宙を舞ったりする。もちろん「気」の力の使い手を見たことがなければ、こんなことが可能だとは信じられないだろう。
「守破離」のコンセプトはどんな資質が人を偉大なスクラムマスターにするのかについて考えるためにも使われる。
スクラムマスターは各段階でどんな行動をすべきなのか?
「守」の段階では、スクラムマスターは、プロセスを組み立て、チームがベロシティを把握した上で持続可能なペースで仕事できるようにし、ベロシティを向上させるための変化を生み出すためにふりかえりを使ったりする。
「破」の段階では、スクラムマスターはスプリントの終わりにはソフトウェアを「完了(全てのフィーチャーがテストされていてバグがない)」にできるようなチーム、スプリントの開始時には準備完了となっているバックログを用意している素晴らしいプロダクトオーナーとともに仕事をしていて、少なくとも生産性が2倍になったというはっきりしたデータを持っていて、経営層からの強力なサポートも取り付けている。
チームはハイパープロダクティブの状態で仕事していると位置付けられ、これがスクラムのゴールである。
一方「離」の段階でもチームはハイパープロダクティブである。しかしここではスクラムマスターは何をするのだろうか?本当に必要な人なのだろうか?
答えは「スクラムマスターは必要だ」なのだが、しなければならないことは多くない。
以下は「離」の段階のスクラムマスターでありたいと思ったときに探求すべき資質の例だ。

ハイパープロダクティブってのがいまいちピンとこなかったので、「超生産的」っていう意味と捉えておく。
さしあたっては、破をめざせばいいわけだが、離について俺なりの解釈をしてみる。
離の段階では、スクラムマスターが特に指示をしなくても、各スタッフが能動的にストーリーを作成できるし、見積もりもできる。
各スタッフが作成したストーリーは、すばらしいプロダクトオーナーがスプリント開始前に、優先順位をきちんと精査したバックログを用意してくれている。
では、スクラムマスターは何をするのか?
それは、スタッフが抱えている問題に、いち早く気づき、解決策を示すこと。
しかも、スタッフに涙を流して感謝されるぐらいファンタスティックな解決策を。
ファンタスティックな解決策というのは、場当たり的な対処ではなく、問題を本質的に解決するものであり、
解決後に、スクラムマスターは暇な状態(WATCH状態)に戻ることができ、
問題が解決したスタッフが、なぜこんなに劇的に解決したのかを自分で考え、将来的にスタッフ自身で問題を解決できるような気づきを与えるようなものであること。
と、現時点では思うんだけど、まだ何か足りない気がする・・・。
マスターへの道は遠い。

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