忘れられない問いかけ

Q：日本国憲法の「戦争の放棄」を踏まえた上で、
以下の選択肢の中から正しいものを選びなさい。
　「１」：戦争放棄は素晴らしい憲法なので全世界に広めるべきだ。
　「２」：各国の文化・憲法を尊重した上で、より良い世界を築くべきだ。
これは、俺が小学生の時の社会のテストで出された問題だったと思う。
で、当時の俺は、迷う事なく「１」を選択しました。
しかし、返ってきた答案では、「１」ではなく「２」が正解でした。
正直その時は、すごく納得がいかなかった。
「戦争放棄より素晴らしい憲法なんてあるのか？
全世界に広めた方がイイにきまってるじゃん！」
と思いました。
この問題のせいで100点を逃した事もあって（笑）、
中学卒業ぐらいまで、ずーっと頭の隅で納得いかない答えだと思ってました。
でも、今ならこの問いの言わんとしたかったことがわかってきたような気がします。
自分にとっての「正義」は必ずしも、相手にとっての「正義」ではないということです。
そして、人というのは、たとえ正しい理論でも他人から押し付けられたものには、
生理的に反発するということも。
人の思想を変えるというのは、すごく難しいと思います。
相手が自分で気づいて、内側から変わろうと思わない限り、
変わらないものですから。
でも、社会に出て必要なのは、こういった「説得する力」だと思う。
こういう考え方をもてるようになったという点でも、
冒頭の問題に、幼い内に出会えてよかったと思いますね。